補聴器のQ&A
聞こえがおとろえてくると・・・
・最近会話の中で、聞き返すことが増えた
・電話での会話が聞き取りにくくなった
・後ろから声をかけられると聞き取れないことがある
・テレビを見ていると、家族や周囲の人にうるさいといわれる
Q1.近ごろ聞きにくさを感じて気になります。どうしたらよいでしょうか?
A1.人は誰でも年を重ねるに従い、聴力が低下していくものです。聞こえに不安を感じたら、まず耳鼻咽喉科の医師に相談することをお勧めします。
そこでどのように聞きにくいか具体的に相談してみましょう。難聴はその原因によっては治療で治るケースもあり、早い時期に専門医の診断を受けたほうがよいでしょう。
Q2.難聴の種類を教えてください。
A2.
・伝音難聴
外耳と中耳の部分を伝音器といいます。
中耳炎や外耳炎など、この部分に障害が生じた難聴を伝音性といい、治療で治る可能性があります。
・感音難聴
内耳から聴神経、脳にかけて障害が起こったものを感音難聴といいます。
・混合性難聴
伝音と感音の両方にまたがる難聴を、混合難聴といいます。
・老人性難聴
老人性難聴は年が高齢化するとともに聞こえが老化し、高い音から徐々に聞こえにくくなります。
個人差はありますが、だれでも生じるものです。
Q3.難聴になると言葉や音はどのように聞こえるのですか?
A3.補聴器は軽い難聴からはじめましょう。
・軽度難聴( 聴力レベル 25~50デシベル )
1対1の会話では問題はない。聞きちがいが多くなる。会議での聞き取りが多少むずかしい。
・中等度難聴( 聴力レベル 50~70デシベル )
会議での聞き取りが困難になる。すぐそばで、ゆっくり、大きな声で話すと聞き取れる。
・高度難聴( 聴力レベル 70~90デシベル )
耳もとで話すと聞き取れる。
・重度難聴( 聴力レベル 90デシベル以上 )
耳もとで大声で話すとなんとか聞き取れる。
※ 聴力レベル 聞こえの程度を表わす単位。若い健康な聴力を0デシベルとしています。
感音難聴が進むと、聞こえは子音(か行・さ行・た行・は行)の聞き取りがむずかしくなり、最終的にはすべての言葉が母音・は行・ら行だけ聞こえてきます。
例)こしひかり・・・ほひひかり・・・りりらり
Q4.補聴器を使用すると、難聴が進む気がしてためらっています。
A4.一般的には正しく補聴器を調整して使用すれば、難聴が進むことはないといわれています。
Q5.自分では必要と感じないのに「補聴器をつけたら」とよく言われますが?
A5.家の中では、家族が大きな声で話しかけてくれたり、テレビの音量を大きくすれば、特に不自由を感じません。しかし、一歩外に出ると、たとえば病院の受付等でなまえを呼ばれても、気がつかずとまどったり、あるいは後ろから来る車の警笛が聞こえないため、事故に合う場合もあります。また、外部からの「聞く」情報が減ると、脳への刺激が少なくなるとも言われています。
Q6.補聴器を選ぶ際にどのようなことに注意したらいいのですか?
A6.選ぶ場合は・・・
・値段ではなく、聞こえ、タイプなど自分に合うものを選ぶ
・できれば日常生活の中で試してみる
・最初は音の大きさよりも「聞きやすさ」に合わせて調整してもらう
・使い方や注意事項などは家族の方といいっしょになって聞いてもらう
などに注意することをおすすめします。
Q7.補聴器にはどんなタイプがありますか?
A7.耳穴型 、耳かけ形、ポケット形 などがあります。
・耳あな形(オーダーメイド)
○ 耳のかたち、聞こえに合わせてぴったりと作れます。
× 聞こえが大きく変わったり、急激にやせたりした場合は、作りなおす必要があります。
・耳かけ形
○ 耳の後ろにかけるタイプです。防水タイプなどもあります。
× メガネをかけている人や、運動をするとき、じゃまになることもあります。
・ポケット型
○ 豊かな音量で、重度難聴まで幅広く対応できます。
操作が簡単で、取り扱いが楽です。
× コードがわずらわしく、携帯には不向きです。
※○はメリット、×はデメリットを表しています。
Q8.補聴器は両耳にした方がよいのですか?
A8.両耳装用
両方の耳に補聴器を使用することを両耳装用といい、方耳装用と比較して、雑音の多い中でも、音や言葉の聞き取りがより楽になります。また、音の方向感や立体感が生まれ、補聴器からの音量も小さめで聞くことができるため、より疲れにくくなります。
Q9.補聴器と上手につきあうにはどうしたらよいのでしょうか?
A9.
・初めて使用する場合
補聴器に慣れるためには、静かな場所で使うことから始めてみましょう。
・周囲や家族の方へのお願い
「大声で話しかけない」
大声で話しかけると、音が割れて補聴器ではなかなか聞き取れません。近くから、普通の声で話しかけてください。
「ゆっくり、はっきり、話しかける」
聞こえ以外に言葉を理解する能力もおとろえていくことがあります。早口ではなかなか通じにくい場合があります。ゆっくり、はっきり話すよう心がけましょう。
・点検、修理
聞きにくいと感じたりおかしいなと思ったら早めに点検してもらうことが大切です。